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B2B Marketing / Data Strategy

クッキーレス時代のB2Bデータ戦略:
ファーストパーティ・ゼロパーティデータの実践活用法

Wing編集部

2024年、Googleはサードパーティ Cookie の廃止計画を事実上撤回し「ユーザー選択型」への移行を発表した。しかしこれは「問題が解決された」ことを意味しない。Safari・Firefox は既に数年前からサードパーティ Cookie をブロックしており、B2Bサイト訪問者の30〜50%はすでにトラッキング不能な状態にある。クッキーレス対応は先延ばしにできない現実だ。

Figure 1 — データ戦略の移行:サードパーティ依存からゼロパーティ中心へ
ゼロパーティ Zero-Party ファーストパーティ First-Party セカンドパーティ Second-Party サードパーティ Third-Party 顧客が自発提供・最高精度・プライバシー完全合法 アンケート/診断ツール/プリファレンスセンター ↑↑ 最重要 自社直接収集・CRM・サイト行動・メール開封 Server-Side Tag + CDP 基盤が急務 ↑ 基盤整備 パートナー共有データ 展示会リスト等 → 限定活用 外部DMP Cookie依存 ↓↓ 急速に価値低下 データ価値・利用可能期間 →

戦略の重心を右から左へ移行する——ゼロ・ファーストパーティデータ基盤の構築が急務

データの「3層構造」を理解する

マーケティングデータは取得方法によって3つの層に分類される。2026年以降の戦略は、この3層の役割を明確に定義することから始まる。

Data Taxonomy — 3層構造
種別定義2026年の位置づけ
ゼロパーティデータ顧客が自ら積極的に提供した情報アンケート回答、プリファレンスセンター設定、コンテンツ選好申告最高価値・増大中
ファーストパーティデータ自社が直接収集した行動・属性データサイト閲覧履歴、メール開封・クリック、CRM登録情報基盤・整備が急務
セカンドパーティデータパートナー企業が収集・共有したデータメディアパートナーの閲覧データ、展示会主催者のリスト限定的に活用
サードパーティデータ外部データブローカーが収集・販売デモグラフィックセグメント、行動ターゲティングCookie急速に価値低下

戦略の重心をサード→ゼロ・ファーストへ移行することが最優先課題

ゼロパーティデータをB2Bで収集する5つの方法

ゼロパーティデータは「渡したい」と思った時だけ渡される。そのため収集設計は「情報提供と引き換えの価値」を明示することが必須だ。

Zero-Party Data — B2B収集設計
01
プリファレンスセンター
「どのテーマの情報を受け取りたいか」を登録者自身が設定。スパム率低下+セグメント精度向上の一石二鳥。
02
インタラクティブ診断ツール
「自社のDX成熟度を測る」「コスト削減余地を診断する」などの無料ツール提供と引き換えに課題・規模情報を収集。
03
ウェビナー事前アンケート
参加申込時に「現在の課題」「検討中の施策」を任意回答。回答率60〜70%が一般的で質の高いデータが得られる。
04
コンテンツレコメンド設定
「あなたの役職・業界・関心領域を教えてください」でパーソナライズドコンテンツを提供。価値交換が明確。
05
CS定例ヒアリング構造化
既存顧客との定例MTGを「データ収集の場」として構造化。構造化フォームで入力しCRMに自動同期。

「何かの見返りに情報をもらう」という設計が、ゼロパーティデータ収集の大原則

ファーストパーティデータ基盤の技術構成

ファーストパーティデータを正確に収集・管理するためには、従来のクライアントサイドタグ(Google Tag Manager等)に依存した構成から脱却する必要がある。

Tech Stack — ファーストパーティデータ基盤
CMP
同意管理プラットフォーム
OneTrust、Cookiebot等。GDPR・個人情報保護法対応の同意取得・記録。GAM/GTMと連携して同意に応じたタグ制御。
SST
サーバーサイドトラッキング
GTM Server-side Container等。クライアントからサーバーにデータを送り各ツールへ転送。AdBlockerとCookie制限を回避。
CDP
顧客データプラットフォーム
Segment、RudderStack等。複数チャネルのデータを統合し単一顧客IDで管理。MAやCRMへの一元配信基盤。
CRM
CRMとの統合
HubSpot/Salesforce。CDPで統合されたデータをCRMに反映し、営業・CSへのインテリジェンス提供とパーソナライズ実行。

CMP→SST→CDP→CRMの順に整備するのが推奨ロードマップ

日本のB2B企業が直面するデータ基盤整備の現実

多くの日本のB2B企業では、マーケティングデータが「MAのメール行動ログ」「CRMの商談情報」「Webアナリティクス(GA4)」の3つにサイロ化されていて、それらが統合されていない。この状態では、たとえゼロパーティデータを収集しても活用できない。

よくある失敗:先にツール導入してしまうケース
CDPを導入する前に「どのデータを統合して、何のために使うか」の設計がないまま進めると、高額のCDPが「データの倉庫」になるだけで終わる。データ戦略の設計→必要データの棚卸し→ツール選定の順序が重要だ。ツールは手段であり、戦略が先だ。

Wing では、ツール導入の前に「データ活用シナリオ設計」を必ず実施する。「誰のどの行動データを使って、どのアクションを引き起こしたいか」を明文化した上でツール選定・実装に移行する。これにより導入後の活用率と ROI が大幅に改善する。

プライバシーファーストは差別化の機会

クッキーレス対応を「コンプライアンス対応コスト」と捉えるか「顧客信頼構築の機会」と捉えるかで、戦略の質が変わる。プライバシーを尊重し、透明性の高いデータ収集を行うブランドは、B2Bバイヤーからの信頼度が測定可能なほど高い。データの扱い方は、ブランドの価値観そのものだ。

Wing's View
WingではB2Bクライアントのデータ基盤整備を「マーケティングのデータ活用シナリオ設計→CMP設置→サーバーサイドトラッキング導入→CDP選定・実装→CRM連携」という一気通貫のロードマップで支援している。各フェーズで「このデータで何ができるようになるか」を可視化しながら進めることで、現場の納得感と経営の投資判断を同時に得ることができる。

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B2Bマーケティングのデータ基盤構築から
MA連携まで Wing がご支援します

サーバーサイドトラッキング導入、CMP設置、ゼロパーティデータ収集設計、CDP・CRM統合まで。Wing がデータ戦略の設計から実装を一気通貫でご支援します。

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